便秘じゃないのになんとなくお腹が重い、風邪をひいているわけではないのに呼吸がしづらい、そんな「なんとなく不調」を感じたことがある方、いらっしゃるのではないでしょうか。
そんななんとなく不調に出会った時、みなさんはどうしますか?
「ストレス溜まってるのかな」とか、「年のせいかな」とか、なんとなくスルーしてしまう人も少なくないのでは?
東洋医学には、このなんとなく不調を「未病」といい、病名の付く病気になる前に防ぐことが重要、という考え方があります。
今回は、中医学の理論をベースに考えられた漢方オイル経絡セラピーを受けられる内臓ケアサロン「マイトリーズ」のオーナーセラピスト高西由貴子さんに、内臓ケアについて伺いました。
漢方オイル経絡セラピーとは
本日はよろしくお願いします。
早速ですが「漢方オイル経絡セラピー」とはどんなものなのでしょうか?
漢方アロマオイルを用いたオールハンドのトリートメントです。
トリートメントによって疲れた内臓機能を回復させて、内側から免疫力を高めていきます。むくみ、冷え、慢性疲労、不眠症、生理不順など内臓機能が低下気味の方や、リラックスしたい方に特におすすめのトリートメントです。
免疫力って、年齢を重ねるごとに大事だなと感じます。生活習慣の中の癖みたいなものが、「実はそれ良くないことだったんですよ〜」って大人になるにつれて身体の不調として出てくる気がしていて。笑
今は、どんどん免疫力あげてこう!という気持ちです。
私の免疫力も高められるのでしょうか。あと冷え性でもあります。
トリートメントの前には必ずカウンセリングをして、その方に合わせた施術をしますので、お任せください。
カウンセリングでは中医学の理論に基づいた五臓チェックシートを記入して頂き、その日の体調、お悩みなどをお伺いします。
それを元に、お一人お一人の体質に合わせた3~5種類の漢方アロマオイルを配合し、全身を走る14本の経絡を意識しながらオールハンドでゆっくりと揉み出し、老廃物を流して代謝を促していきます。
お話が先に進む前に…💡
「経絡」って皆さんご存知ですか?
経絡とは、古代中国から伝わる中医学(日本でいう漢方)の概念で、肝、心、脾、肺、腎、これら五臓を中心に、身体全体をくまなく走って全身にエネルギーを供給する、目には見えないエネルギーラインの事をいいます。
(例えば、肝に属する肝臓の経絡のルートには脳や目、生殖器も通っているので、肝臓のエネルギー不足や経絡の滞りが、めまい、頭痛、目の炎症や生理不順などの不調を引き起こす一つの原因になると捉える事ができます)
漢方オイル経絡セラピーを体験
早速この日体験させていただいたメニューは、「漢方オイル経絡セラピー60分」です。
施術の流れ
・カウンセリング
その日の体調、悩みを伝えて、中医学の理論に基づいた五臓チェックシートを記入します。
・オイルを決定
カウンセリングを元に、体質や症状に合わせた3〜5種類の漢方アロマオイルを選んでもらいます。
オイルには大きく分けて五臓の症状に対応する「五行シリーズ」と、特定の症状に効果が期待できる「症状別シリーズ」があり、その中から選んでもらったオイルを、「脈」というベースオイルにブレンドして使うことで浸透性や効能が高まるそう。
私は、冷えやむくみが気になっているため、「症状別シリーズ」の中から「三伏(さんぷく)」と「実(じつ)」の2種類を選んでもらいました。
「三伏」は桂枝、辛夷、生姜、ホホバオイルのブレンドオイルで、発汗作用に優れ新陳代謝を高める効果が期待できるそう。冷え対策です。
「実」には、杜松、陳皮、スイートアーモンドオイル、ホホバオイルがブレンドされています。リンパの循環を促進させ、むくみにアプローチしてくれるなど脚を引き締めたい人にぴったりのオイルだそう。
他にも、五行シリーズには自律神経にアプローチする「定」、胃腸を労る「軽」など、症状別シリーズには、肩こりや筋肉痛を緩和させる「緩」、頭をすっきりとさせてくれる「醒」、集中力を高める「昇」、偏頭痛を和らげる「止」など、それぞれの悩みや症状に合わせたオイルが数種類ずつ用意されています。
・フットバス
トリートメント前に血行促進&リラックス。

・トリートメント
全身を走る14本の経絡を意識しながらゆっくりと揉み出し。老廃物を流して代謝を促進していきます。
60分のトリートメントが終わった頃には、呼吸は穏やかに、そしてお腹や脚が柔らかく軽くなったような感覚がありました。
体はポカポカ、肩の力が抜けてとってもリラックスできました。
オーナーセラピストの高西さんが内臓ケアと出会ったきっかけ
高西さんはもともとヨガインストラクターとして活動されていると思いますが、内臓ケアサロンをオープンしようと思ったきっかけはなんだったのですか?
5年ぐらい前、陰ヨガの勉強をしているときに陰ヨガの土台となる中医学でお腹をマッサージする内臓ケアに出会ってから、興味を持ち始めました。
内臓と感情ってつながってるというのがとても興味深くて、勉強しているうちにどんどんハマっていきました。
その時は内臓ケアのサロンをオープンするなんて、考えてもみなかったです。
そうだったんですか、サロンオープンはご自分でも想定外だったのですね。
内臓と感情がつながっているというのは、確かに興味深いです。
その頃、私自身なんとなく便秘でもないのに下腹部が重いな…と違和感を感じることがあって、知人のヨガの先生に相談したら「何かしら溜まっているものがあるのかもね」と言われたんです。
そこから自分でお腹のセルフマッサージをするようになって、しばらくしたら重みを感じていた下腹部が軽くなりました。それと同時に気持ちまで軽くなっていったことを実感したときに「あ、こういうことか」と思いました。
知らない間に我慢やストレスってどんどん溜まっていくけど、お腹をほぐすだけで少しずつ軽くなっていくんですよ。
生徒さんのおかげでサロンをオープン、さらに新たな手技を勉強中
さらにその良さを人にも伝えることにしたんですね。
お腹のセルフケアを人に伝えようと思ったのは、自分が体感したことが一番ですが、さらに決め手になったのが、パラリンピックの選手にヨガを教えるクラスを見学させてもらったときのことです。
心身のセルフケアとしてヨガもとても良いのですが、手のひら一枚でできるセルフ内臓マッサージならば、シンプルで手軽なので老若男女、どんな方にでも日常生活の中で気軽に実践してもらえるんじゃないかなと思ったんです。
そこからサロンをオープンするまでの道のりが気になります。
当初はお腹をマッサージするセルフケア講座を不定期開催していました。
講座を受けてもらった生徒さんから色々な質問や相談を受けるようになったことが、内臓ケアのサロンを構えようと考えたきっかけです。
サロンをオープンするまでは、ヨガの生徒さんも含めて、生徒さんとのつながりはレッスン前後か講座の最中だけになってしまうことがほとんど。後から出てきた悩みや疑問に応える場がなかったんです。
私自身も、現在師事しているヨガと中医学の先生に出会うまでは、そういう場が無くて困っていたので、生徒さんの疑問や悩みをいつでも受け入れてあげられる、必要があれば一対一で直接お腹を触ってあげられる場があったらいいなと思って決めました。
最初はお腹のセルフマッサージ講座から始まったんですね。
はい、サロンを始めた今でもやはりセルフマッサージは一番大切だと思っていますので、いらしたお客様には簡単なセルフマッサージ方法もお伝えするようにしています。
ただ、セルフケアを続けていて実感したのが、自分がすごく疲れている時に疲れた手のひらでセルフマッサージしてもダメだなということ。そういう時ってケアしきれないんですよ。やっぱり自分一人で出来ることには限界があります。
だからそういう時のために、私がケアして差し上げられたらという思いでいます。
確かに、すごく疲れている時っていつも以上に、お願い誰か癒してー!という気持ちになります。
サロンのメニューには、お腹だけでなく背中や脚など他の部位の施術もあるんですね。
それは、実は講座を繰り返していたら、お腹を人に触られるのは苦手という方が結構いらっしゃったんです。
そこで、そういう方にはどうしたら良いかなと考えて、「経絡」からアプローチする手技を取り入れることにしました。
経絡は五臓を中心に身体全体をくまなく流れています。全身のオイルトリートメントで経絡の流れを通したり、つぼを刺激することで内臓にもアプローチすることができるんです。
生徒さんに向き合う中での気づきが、現在のサロンの形をつくっているんですね。
そうなんです。試行錯誤しながら必要なものを補っていたら自然な流れでこうなった、という感じです。
根本的には、その場しのぎではなく体質改善できるようなものを提案していきたいと思っています。
今は更なる身体の毒素のデトックス効果が期待できる「かっさ」をサロンのメニューに取り入れる為に勉強中です。
高西さんとサロンのこれからがますます楽しみになってきました。
私の夢は、「世界中の人のお腹をふかふかにして健康寿命を少しでも長くすること」なんです。
元気だと自然に笑顔が湧いてくるじゃないですか。自分の経験からも、色々な方のお悩みやお話を伺っていても、人間って健康が幸せの要なんだなって思うんです。
サロンの名前にもしている、私の人生のテーマ「maitri(マイトリー)=思いやり、慈しみ」を大切に、サロンに来た方に家に帰ってきたようなほっとした気持ちになっていただける場づくりをしていきたいと思います。
世界中の人のお腹をふかふかに、とっても素敵な夢ですね。
また私もお腹をふかふかにしてもらいに伺います。
本日はありがとうございました。
高西由貴子さんプロフィール

内臓ケアサロンMaitries(マイトリーズ)オーナー
ハタヨガ、陰ヨガインストラクター/内臓セルフタッチセミナー講師/刮痧国際協会 中医アドバイザー療法士/刮痧国際協会/漢方経絡セラピスト
14年前にヨガに出会い、娘の出産を経て2015年に全米ヨガアライアンス(RYT200)を取得。フリーランスでヨガインストラクターとして活動しながら、予防医学である中医学の概念をベースに、季節ごとの内臓セルフケアを伝えるセミナーを開催、講師をつとめる。2020年2月、初台に内臓ケアサロン「Maitries」をオープン。
【保有資格】
全米ヨガアライアンス(RYT200)取得
トラウマアプローチヨガ指導者
サラパワーズ9日間陰ヨガ集中トレーニング修了
刮痧国際協会 中医アドバイザー療法士
刮痧国際協会 漢方経絡セラピスト
🔗Maitriesホームページ
🔗Instagram
🔗Facebook
※本取材は2月上旬に行いました。
コロナウィルス対策のため、3月末から臨時休業されていましたが、6月2日より営業を再開されます。詳しくはサロンのInstagramやホームページからぜひご覧ください。
コメントを残す